読書

ハッタリ能力

『福翁自伝』より、福沢諭吉のエピソードを一つ・・・少年時代のこと。諭吉が通う塾の生徒の間で囲碁がはやっていた。 諭吉はあまり囲碁を知らなかったけれど、対局の間に 割って入っては知ったような振りをして「この手はいい」とか 「こんな手じゃ負けだ」…

漂流中の身

「青春」なんて口にするのも恥ずかしいし、あまり考えたこともない。 むしろ「青春」にかかわりそうなことから意図的に逃げてきた。 いや、自然と避けるような性格だからそう思えるだけかもしれない。 立花隆の著書のひとつに『青春漂流』というものがある。…

『宇宙からの帰還』

「旅をする前と後では同じ人ではあり得ない」 立花隆は『思索紀行』でそう書いている。それも、この経験があった故の考えなのかもしれない。 『宇宙からの帰還』はアメリカの宇宙飛行士たちの、宇宙空間での体験に鋭く迫っている。それは表面的な体験にとど…

ボクとコブクロと原宿駅

猪瀬直樹『ミカドの肖像』を読んでいる。 原宿駅には天皇専用のプラットホームがあった。 トリビアなのか、常識なのかわからない。とりあえず、自分が知らなくて、「そうだったのか!」と… 現在も皇室関係専用列車の発着ホームとして残っている。 そもそもの…

ネット依存がもたらす記憶力の低下など

『フリーズする脳 思考が止まる、言葉につまる』を読んでいるとネット依存の怖さを感じる。 機械メーカーに勤める総務部主任の田辺雄一さん(仮名、42歳)の事例が紹介されている。田辺さんの一日はネットへの接続から始まる。そして会社に出社してもネット…

堀江被告、読書の日々 - 多くの人に見習ってほしい

[ライブドア]堀江容疑者、東京拘置所で韓国語を勉強 http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1729686/detail?rd 再逮捕されたライブドア前社長の堀江貴文容疑者(33)は、拘置先の東京拘置所(東京都葛飾区)で韓国語の勉強を始めるとともに、中国…

『9.11 生死を分けた102分』

とにかく読みにくい。登場人物が多すぎるし、カタカナだと覚えにくい。 いまだに、「翻訳本」を読めない。やはり、英語を無理矢理に日本語に訳すことにはどうも抵抗がある。「そんな日本語の使い方あるのか!?」とつい心の中でツッコんでしまう。 内部の混…

これだけの旅をしている人がいうと納得できてしまう

沢木耕太郎『ミッドナイト・エクスプレス』(文藝春秋、2004年)「深夜特急 第十三章 使者として トルコ」より p.p508〜509 旅は人生に似ている。以前私がそんな言葉を眼にしたら、書いた人物を軽蔑しただろう。少なくとも、これまでの私だったら、旅を人生…

自戒の念を込めて、この文章を引用する

千本健一郎『「いい文章」の書き方』(三笠書房、1994年)「自分についての上手な書き方」p.p96-97 ・・・世の注目を浴びている人ならいざ知らず、とくに名もない普通の人が自分の身にまつわることを、ただずらずらと並べただけで人さまが読んでくださるもの…

沢木耕太郎『ミッドナイト・エクスプレス』

ようやくシンガポールに到着。この本を読んでいると海外旅行に行きたくなってくる。海外旅行が格安で実行できそうな錯覚に陥りそうになる。物価が現在よりもさらに安いように思う。一泊1600円でも、沢木氏にいわせれば「高い」らしい・・・ちなみに、その前…

『ミッドナイト・エクスプレス』

沢木耕太郎の『ミッドナイト・エクスプレス』を読書中。4年前に友人から話を聞いて初めてこの本の存在を知ったことを覚えている。ようやく読み始めることになった。 文庫ではないので、ものすごく分厚い。ページ数は734もある。 著者の観察眼には驚かされる…