漂流中の身

「青春」なんて口にするのも恥ずかしいし、あまり考えたこともない。
むしろ「青春」にかかわりそうなことから意図的に逃げてきた。
いや、自然と避けるような性格だからそう思えるだけかもしれない。


立花隆の著書のひとつに『青春漂流』というものがある。
立花隆的には、「自分の生き方を模索している間が青春」だという。

そして、「青春というのは、それが過ぎ去ったときにはじめて、ああ、あれ
がオレの青春だったのかときがつくものなのである」ともいっている。
また、「迷い」と「惑い」が青春の特徴でもあるらしい。


確かに、よく迷ったり惑ったりするけれど、自覚できるほど「こじんまり」と
生きているので、どうにも「青春」とは胸を張っていえない。失敗を怖がって
何度も逃げてきたから。これでは、「青春漂流」じゃなくて単なる「漂流」だ。
しかも、陸が見えているのにあえて漂着していない気もする。


青春漂流 (講談社文庫)

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