「PCの利用頻度と数学の成績に相関ありとの報告」に異議あり

MYCOM PC WEB - PCの利用頻度と数学の成績に相関ありとの報告 - OECD調査
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2006/02/08/321.html

同レポートは、15歳(高校1年生)の子どもたちを対象に、OECD加盟国を中心とする世界の40以上の国や地域で2003年に実施された「学習到達度国際比較調査」(PISA: Programme for International Student Assessment)に基づくとされる。最初のPISAは、2000年に調査が実施されており、3年間で各国の学生たちの家庭および学校において、PCの普及が順調に進んでいる様子が浮き彫りになっている。

2003年のPISAを分析して出された今回のレポートによると、家庭でPCを頻繁に利用している学生は、調査対象となったOECD加盟国全体の74%に上っており、数学分野の平均点が517点となった。一方、家庭でPCを使う機会がほとんどない学生(18%)の数学分野の平均点は464点だったとされる。また、学校でPCを利用する機会が多い子どもたちほど、数学の成績が良くなる傾向が見られたという。さらに、PC利用歴が5年以上となる学生は、調査対象のOECD加盟国全体の37%を占めており、数学分野の平均点は532点となった。PCの利用年数が下がるほど、平均点も落ちる傾向が見受けられ、PC利用歴が1年未満の学生(10%)の数学分野の平均点は433点だったという。


この調査、怪しいなー・・・

数学の学力との相関があるとするなら、他の教科についても書いてないのはおかしい。まぁ、「相関がなかったから紹介しなかった」という可能性もあるけど。

そもそも、PCを使っていれば数学の成績がよくなるとは思えない。趣味のサイトばかりを見てたりする人もいるだろうし。「使い方によるんじゃないのか?」と強く思う。「プログラミングをしてる」とかなら理解できるけど。

PCが自宅にないということは、家庭の経済的な事情がある場合もあるはずなので、単純にPCの利用率と数学の成績を関連付けるのは、やはり違和感がある。谷岡一郎が著書『社会調査のウソ - リサーチリテラシーのすすめ』で主張していた「見せかけの相関」なんだろうか。


リサーチ・リテラシーのすすめ 「社会調査」のウソ (文春新書)

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